オリンピックにふれる

2021
KADOKAWA
あらすじ
香港、上海、ソウル、そして東京――分断された世界に、希望は生き残れるか?小説だから見えてくる、光と翳のオリンピック。 変貌をとげるアジアの街で、人生の岐路に揺れる若者たち。コロナ下の東京に、オリンピックの幕が上がる。
2021年夏、東京オリンピックと同時進行で新聞連載された話題作「オリンピックにふれる」をふくむ注目の最新小説集!
担当編集者ここだけの話
2021年夏。東京オリンピックの開催を前に、お祭り気分とは程遠かったコロナ下の東京の空気を覚えているでしょうか。大会と同時進行で読売新聞に連載された「オリンピックにふれる」は、目の前の競技にも人にも「触れる」ことを禁じられた時代に、それでもなお必死に手を伸ばしてリアルな何かに触れようとする、青春の鬱屈と熱が見事に描き留められた傑作です。表題作に加えて、北京オリンピック前後で変貌をとげるアジアの若者たちを描いた短編三作を収録。香港、上海、ソウル、そして東京と、華やかなショーの陰で生き迷うアジアの息遣いが伝わる、吉田さんならではのオリンピック連作集が生まれました。

(講談社 Ⅿ)

『オリンピックにふれる』

吉田 修一
定価:1,540円(税込)
講談社