初恋温泉

2006
集英社
青年実業家として成功した男と美しい妻。理想的な夫婦に見えるのに、妻が突然離婚を切り出す。結論も出ないまま赴いた伊豆・熱海の高級旅館(『初恋温泉』)。漫才をしているようなおどけたカップルが、東北の温泉宿で遭遇する静寂の時間(『白雪温泉』)。親に内緒で温泉旅行に繰りだそうとする高校生の恋人たちの初々しい様(『純情温泉』)。温泉という、心も身体も開放される場所だからこそ垣間見られる男と女の「本当の姿」を描く。舞台となるのは、実在する旅館やホテルである。旅情と奥底の心情がクロスオーバーする小説集。
吉田さんは、学生の頃から日帰りで行くほど温泉が好きなんです。この小説も、初めドライブに出かける話にでもしようと思っていたのが、どうせなら好きな場所でという事で、温泉の話になったそうです。当時温泉に全く興味のなかった僕は、本を作る前に吉田氏お薦めの温泉に行ってみることにしました。結局僕はその時一緒に温泉に行った女の子と結婚するのですが、五年経った今では、この小説がずっと分かるようになっています。そんなわけで、結婚五年目くらいの人にお薦めしたいですね。温泉好きではなく。

(集英社 T)

『初恋温泉』

吉田 修一  
定価:450円(税込)
集英社文庫

『初恋温泉』 [単行本]

吉田 修一  
定価:1,365円(税込)
集英社
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『初戀溫泉』

吉田 修一
時報出版
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KR

『첫사랑 온천』

요시다 슈이치
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