怒り

2014
中央公論新社
【上】2011年8月。八王子郊外で尾木幸則・里佳子夫妻が惨殺された。血まみれの廊下には、犯人・山神一也が書いた血文字「怒」が残されていた--。事件から1年後の夏、物語は始まる。整形をし、逃亡を続ける山神はどこにいるのか? 房総半島で漁師をする槙洋平・愛子親子の前には田代と名乗る男が、東京で広告代理店に勤めるゲイの藤田優馬の前にはサウナで出会った直人が、母とともに沖縄の離島へ引っ越した小宮山泉の前には田中という男が現れる。それぞれに前歴不詳の3人の男。

【下】山神を追う刑事の北見壮介、彼の捜査でわかってきた山神の不思議な生い立ちや80年前に山神の生地で起こった凄惨な事件なども織り込まれ、衝撃のラストまでページをめくる手が止まらない。『悪人』から7年、吉田修一の新たなる代表作。
担当編集者「ここだけの話」
この作品を新聞連載で読んでいた方から、「単行本で再読したら、印象が違うような……」という感想をいただきました。その直感、正しいです!  ブロックごと削除したり、エピソードの順番を入れ替えたり、という改稿と一部の加筆で、ここまで物語の肌触りが変わるとは、と驚かされました。単行本では吉田作品初の上下巻と決定したこと、クリスマス時期の装幀に関するやり取り(一時は、ピンク地!  に決まりかけたことも……)などなど、小説が世に出るまでの過程を伴走する「醍醐味」を、存分に味あわせていただきました。刊行の半年前、吉田さんからのメールにあった「『怒り』でいろんな良い景色を一緒に見られたらいいですね」という言葉を目にした時のワクワクした気持ち、今も続いています。

(中央公論新社 Y)

『怒り』

吉田 修一  
文庫化
中公文庫

『怒り』

吉田 修一  
各1260円(税込み)
中央公論新社
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『怒り』

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「분노」1 /「분노」2

요시다 슈이치 
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『พิโรธ (Ikari)』

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